『ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち』第一巻

ビブリア古書堂の事件手帖を読んだ感想

 

大人気「ビブリア古書堂」シリーズの第一巻です。

どれくらい売れているかと言いますと…。

まず2012年の本屋大賞にノミネート。(すごいのは文庫本で初という快挙)

 

そして、漫画化の後に、2013年には剛力彩芽さん主演でドラマ化されました。(いわゆる、月9の枠)

五浦役にはEXILEのAKIRAさん、志田役には高橋克実さん、笠井役は田中圭さんでした。

 

実は私はこのドラマを見て初めて「ビブリア古書堂」のことを知り、興味を持ったのです。視聴率の方は残念ながら振るわなかったようですは、個人的には見ていてとても面白かったです。

 

ドラマ化されるに当たっては、賛否がありまして・・

 

元気印の代表みたいな剛力さんと、栞子さんのイメージがかけ離れていて、かなりの反対意見があったみたです。

 

私も思いました。

だって剛力さんではどう見ても、書籍の表紙を飾る栞子さんとは一致しないです。

 

せめてウイッグかなんかでロングヘアにして欲しかったですね。

 

あれから数年経ちましたが、またアニメと実写による映画化も決定しているそうです。

 

「ライトノベルだからと侮るなかれ」の一言に尽きますね。

 

ビブリアの意味は?

 

それにしても、ビブリア古書堂の「ビブリア」って、耳に残る響きです。

どういう意味なんでしょうか?

 

ウイキペディアで調べたところによると、

 

“栞子の祖父、聖司が敬虔なクリスチャンで、このため、ラテン語で聖書を意味する『ビブリア』を店の屋号にしたという”

 

なるほどね。他にも書物という意味もあるそうです。

 

古書堂はお祖父さんの店だったんですものね。

まだ第一巻を読み終えたところなので、栞子さん自身の生い立ちまでは触れられていません。

ドラマでは確か栞子さんと母親の間に確執があるんですよね。

安田成美さんがお母さん役でした。

狙った古書を手に入れるためには、手段を選ばない非情な女だったような。

 

ところでこの本、タイトルからしてジャンルが謎解き系なのはわかりますが、古書にまつわる事件?古本屋で事件なんて起きる?と思いませんか?

 

ところが読み始めると、もうあっという間に吸い込まれますよ!

この物語で扱う古書は全て実在する本なのですが、その蘊蓄(うんちく)がめちゃくちゃ面白いんです。

 

読書マニアさんならたまらない話だと思いますし、読書初心者さんでも十分興味深く読めます。

 

また、一話完結モノかと思いきや、キャラクターや物語全体にかかる謎もとてもうまく編み込まれていて、かなり唸らされました。

 

サクサク読めて、ミステリーも楽しめて、ライトノベルの良い所がギュッと詰まった作品です。

 

2.『ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち』著者:三上延

307ページ

 

 

ね?剛力さんとは似ても似つかないですよね。

映画かにあたっては、今度こそファンのイメージを壊さないで欲しいです。

 

本の内容

鎌倉の片隅でひっそりと営業をしている古本屋「ビブリア古書堂」。そこの店主は古本屋のイメージに合わない若くきれいな女性だ。残念なのは、初対面の人間とは口もきけない人見知り。接客業を営む者として心配になる女性だった。だが、古書の知識は並大低ではない。人に対してと真逆に、本には人一倍の情熱を燃やす彼女のもとには、いわくつきの古書が持ち込まれることも、彼女は古書にまつわる謎と秘密を、まるで見てきたかのように解き明かしていく。これは“古書と秘密”の物語。(引用:Amazon.com)

 

まず、やはりライトノベルというジャンルに位置するだけはあって、キャラクターの造りに愛着がわきますね。

 

トラウマが原因で本が読めない青年・大輔と、人見知りで人と話すことはダメダメなのに大好きな本のことはいくらでも語ることができる古書店の美人店長・栞子。

もうこの人物設定だけでワクワクしますよね。しかしこの作品の魅力は、一見、水と油のような二人が、お互いの足りない部分を補い合っていく関係になっていくところ。

 

それがまた大輔と栞子というキャラクターをさらに魅力的にしていて、まさにミステリー史上に残るナイスコンビだと思いました。

 

私も栞子さんから本の読み聞かせしてもらいたいなあ。

 

この小説は人が死なないミステリーです。タイトルに「事件」と付いていても殺人事件は起こりません。サブタイトルの「奇妙な客人たち」の部分がわかりやすくて親切かと。

 

古書っていろんな人の手を渡ってきたものですよね?そこにはそれぞれのドラマがある訳で。「この本のサインを鑑定してほしい」、「盗まれた本を探してほしい」、「持ち込まれた本を売らないでほしい」といった客の依頼から、栞子は真実を導き出していきます。

 

そんな栞子の「古書には本そのものに物語がある」というセリフに、私もハっとしました。

 

 

手にする古書の一冊一冊に耳を傾ける栞子さんの姿はとても美しいです。そして読者の私達にも、古書はミステリアスでドラマチックなものなのだと気づかせてくれます。

 

しかしながら、謎解きをする栞子の古書に関する知識の質と量には圧倒されました。それはつまり作者のリサーチがすごいということなのですが、もう感動です。

 

その本を読んだことのない人には本の蘊蓄が新鮮に映りますし、読んだことのある人でも「そうだったのか」と新しい驚きを楽しめます。

 

「よくぞ、古書をメインにしたミステリーを思いついたなぁ」というのが一番の感想でしょうか。古典文学の読書マニュアルとしても重宝しそうです。

 

第1話での大輔のエピソードから、最後の第4話の栞子が入院している理由とそこからの事件まで、とてもうまくストーリーが流れていると思いました。不器用ながら栞子と五裏、二人の関係性がそう変化していうのか、そこも楽しみです。

 

恋愛モノとしても読める、勿論ミステリーとしてはかなり面白い、ちょっとした文学の勉強にもなる、という一冊で何度も美味しい作品です。

 

読みやすさもオススメポイントなので、どの世代の方にも受け入れてもらえると思います。

 

  1. ビブリア古書堂の事件手帖―購入前に

 

ライトノベルのジャンルが苦手な人、そして重厚なミステリーを求める人は注意しましょう。

登場する女性は言わば「萌えキャラ」のような感じですし、謎解きもライトです。

 

6.物語のキモ・ネタバレ

・主人公の五浦大輔は、大学卒業後も無職の23歳。幼少期のトラウマで本が読めない。ガッチリとした体格。とある本の査定のため、ビブリア古書堂を訪れる。

・もうひとりの主人公が、篠川栞子。ビブリア古書堂の店主。大輔と初めて会った時は入院中。黒髪美女で眼鏡女子。豊かなバストについての描写が多い。普段はかなりの人見知りで人と話すのも一苦労だが、大好きな本に関することとなると態度は一変する。

・小説に登場する古書は全て実在する本。この巻では、夏目漱石の「漱石全集」・小山清の「落穂拾ひ」・ヴィノグラードフ・クジミン「論理学入門」・太宰治の「晩年」が扱われる。

・大輔は本を持ち込んだことがきっかけで、アルバイトとして雇われることになる。

・この巻のラストまで、栞子は退院しない。入院したまま、大輔と謎を解いていく。第4話で、なぜ入院したのかが明かされている。