
感想
「情報は一冊のノートにまとめなさい」で新しい情報管理術を提案した、奥野宣之さんの著書です。
この奥野さんシリーズは私がすごく影響を受けた一冊です。
本読みが好きになるきっかけをもらったので感謝しております。
本著は「情報は~」のアイデアを、日々の読書に応用させた「インストール・リーディング」を紹介しています。
最近よく目にする速読術の類ではないので注意してくださいね。
奥野さんが教えてくれているのは、読書によって得た知識を自分の中に定着させる方法です。
私自身、一番心に刺さったのが「読みっぱなしは読んでいないのと同じ」という一文。
読み終えることだけを目的にしていては内容もすぐに抜けてしまうし、読書の本当の価値を見失っていると気付かせてくれました。
確かに奥野式の読書は、書く作業がプラスされるので面倒です。
でも、ズボラさんでも続けられる工夫までフォローしてくれているのが実にありがたい!
たくさん本を読むのにどうにも身にならない…と感じている方、インストール・リーディングはいかがでしょうか?
『読書は1冊のノートにまとめなさい 100円ノートで確実に頭に落とすインストール・リーディング』著者:奥野宣之
216ページ
本の内容
何十冊、何百冊読んでも、ほとんど何も覚えていない……。それは「読んでいないと同じ」です。そうならないためにも、多読・速読より、一冊ずつきちんと向き合い、本を頭に落とす読み方が必要です。本書では、読んだ内容を確実に「財産」にする「インストール・リーディング」の技術を紹介。ベストセラーになった『情報は1冊のノートにまとめなさい』の、“100円ノート整理術”をベースに、「探す」「買う」「読む」「活用する」をマネジメントして、本の内容を頭に落とす新しい読書術です。
- 誰にでも続けられる!使える!
多読・速読は考え方を学んでも、実践できている人はごくわずかです。本書はどこにでもある100円ノートを使い、
・誰でもラクして続けられ、
・作業は簡単で、・実際に使いこなせ、
・低コスト、ローテク、が特徴です。
- 現役の新聞記者が考えた使えるテクニックが満載!
本書はよくある読書術の本とは大きく違います。
「読む目的を明確にしよう」とか、「アウトプットを考えた読書をしよう」という、これまで語られてきた内容とは一線を画しています。実際に役立つ情報収集と管理の方法、そして読書の技術を、とにかく具体的に紹介します。
たとえば、以下のような技術があります。
・知的生産を可能にする情報収集術「思いつきメモ」
・簡単、続けられる100円ノート「スクラップ術」
・自然と主体的に本が選べるようになる「探書リスト」
・著者と対話して確実に頭に落とす「ねぎま式読書ノート」
・2枚の付箋でチェックをラクにする「W付箋マーキング術」
・検索機能で可能になる「組み合わせアイデア術」
・読書ノートを援用して情報を加工する「ブログ原稿生産術」その他、「レファ本読書」「ツンドク」「からめ手読書」「ひきちぎり読書」などの、応用読書の技術を紹介。
ノートをサポートするインストール・グッズ(文房具など)も写真入りで多数掲載。本書はあなたの読書生活を劇的に向上させ、ひとつ上の知的生産術へと導きます。
ビジネスマンの勉強法にも、ご年配の読書家のスクラップ術にも最適です。(引用:Amazon.com)
この本で紹介されているインストール・リーディングで衝撃を受けたのは、読む段階でのアイデアに限らず「本を探す」や「本を買う」段階のテクニックにまで言及している点です。
そして、そこから読後の感想までを一冊のノートで扱います。これは著者の奥野さんの著書でベストセラーとなった「情報は1冊のノートにまとめなさい」で提唱されているアイデアに由来するものですが、なるほど、読書へ応用するとこんなに便利なのかと唸らされました。
速くたくさん本を読むことが目的ではないので、じっくり自分と読書の付き合い方に向き合えると思います。
中でも「ねぎま式読書ノート」のアイデアはすぐにでも実践してみたいです。心に響いた箇所を引用、ノートへメモ。
その下に、それに対する自分の感想をメモ。これを交互に繰り返していく方法なのですが、この「引用」の手間がミソなのでしょう。
書くことによって、目に留まった箇所がさらに自分の中に残ることになります。感想も、書き出すひと手間で、情報を整理して考えられるようになると思いました。
慣れると、この読み方が目的となり、本の重要な部分を素早く見つけられる効率的な読書が身に付く…ということではないでしょうか。
「ノートを分けない・ペンを分けない」というポイントも、シンプルなようですごく印象に残りました。取り掛かりやすくても続かなければ意味がないので、こういった小さなアドバイスがうれしいです。簡単なことが何より一番!
何となく本を読んではダメ。そのためには、何となく本を選ぶのもダメ。読書をもっと主体的に捉えないといけないんですね。
「読みっぱなしは読んでいないのと同じ」というメッセージからかなり勉強できました。
『読書は1冊のノートにまとめなさい』を読む必要がないと思われる人
すでに読書に関するアウトプットを実践している人や、デジタルツールを駆使している人には目新しいアイデアがないかもしれません。