• 『それでも僕は夢を見る』鉄拳と水野敬也と

『それでも僕は夢を見る』鉄拳と水野敬也と

漫画 -
『それでも僕は夢を見る』鉄拳と水野敬也と

結末の予想はついてたけど、やっぱり泣けた。それが感想

 

人生は巻き戻せない。その大前提がある上で、将来後悔しないために、こういった本から何を学ぶべきなのか…。

パラパラ漫画で有名な鉄拳さんのイラストが目を引く作品です。

 

私がこの本と出会ったのは歯医者さんの待合室でした。

 

他に読書欲をそそる本がなかったので、手にとったのですが、見てすぐわかる鉄拳さんのイラスト、文はあの水野啓也ですよ。

 

こんな本も出しているのか?!と思いつつ読み始めたら・・

 

読んでる途中で泣きそうになり、「ココで最後まで読むのはやばい!」と思い、慌てて本を閉じました。

 

歯医者の待合室で大人が泣いてたら、情けないヤツに見えてしまいますよね?

 

この本は買おう。

そう決めて帰宅してすぐアマゾンで購入したのです。

 

やっぱり泣きましたね。

また、水野啓也にやられた。

 

私も含め、この本を読むタイミングによって、かなり受け取り方や印象が変わるんじゃないでしょうか。

 

キラキラと充実した毎日を送る人にはつまらなく感じられたり、自分の生きてきた道を振り返っている人には共感や感動が芽生えたり。

そんなことを考えながら、この本の感想に正解も多数決もないと思いました。

読み終えて、自分の心に残っている何かを受け止められればいいのだと思います。

 

最初から答えを探そうとはしない方がいいのかもしれません。

 

『それでも僕は夢を見る』著者:水野敬也

168ページ

 

本の内容

 

“200万部超えのベストセラー「夢をかなえるゾウ」の水野敬也と動画サイトで300万回以上の再生数を誇ったパラパラ漫画「振り子」やNHK朝ドラ「あまちゃん」のアニメーションの作者鉄拳がタッグを組んだ。「夢」はずっと僕のそばにいた。けれど、いつまでも「夢」を追うのが辛くなった僕は、ある日彼を捨てた―。老いた主人公がひとり病室で横たわるとき、捨てたはずの「夢」が戻ってくる。「夢」に励まされ、主人公が最期に書き上げた一通の手紙とは?動き出しそうになめらかなモノクロの絵と、静かな余韻を残す物語。読む人によって、それぞれが違う感動を味わえるしっとり泣けてほんわか温かくなれる、珠玉の一冊です。 ”(引用:Amazon.com)

 

シンプルに「生きるとは?」ということを考えさせられました。直球です。何かを教えてくれる本ではないのですが、読み手のそれぞれの心にいろいろなものを残し、自分は今生きているのだということを気付かせてくれます。

 

それは物語の主人公が、死期の迫った老人だからであって、この老人のように一生を振り返らないためにはどうすればいいのか、人生の途中にいる自分がそこから学ぼうとするからなのでしょう。

 

そしてやはり「自分にとっての夢」についても考えさせられます。

 

夢が叶わなかった人生は失敗の人生ですか?

悔しさしか残りませんか?

 

正解はないと思います。

ですが、わかったことは、つまらない人生だって人生ということです。

 

夢が叶わなくたって、ひたすら歩いてきた道だという事です。成功のなかったその道に、価値は全くないと言い切れるでしょうか?

 

夢に向かって頑張っていた時の感情のような、のちに心の財産となるものがきっとあるはずです。夢のための努力ももちろん必要だけど、大切なことはほかにももっとある。

 

老人は「夢」との対話であることに気付き、私の人生観も変えてくれた本でした。

 

鉄拳さんのイラストのおかげでサクサク読めます。鉄拳さんの絵はそれだけでジーンとくるものがありますね。哲学的な内容にもマッチしています。

 

病室にいる夢破れた老人が主人公なので、共感できるかできないか、評価が分かれる作品だと思います。

 

現在進行中で頑張っている人には向かないかもしれません。一度挫折を味わった人、立ち止まってしまった人の方が、感動が深いかなと思いました。

 

ただ、夢が叶わなかった時のことを想像するには、すごく手助けになりそうです。

 

そして、老人が語り掛けてくることはとても重たいですが、率直に感じたことや夢が叶わなくても「それでいいんだよ」と言ってもらっているような気がしました。

 

物語のあらすじ・ネタバレ

 

・死を目の前にして人生を振り返った時、夢が叶わなかった過去と向き合い、夢と対話し、夢が叶わなかった人生でも生きているだけで素晴らしいということに気付く。

 

・老人と、かつて捨ててしまった「夢」との対話で話が進む。老人は「夢」に励まされて一通の手紙を書くのだが、そのメッセージは「生きていることが何よりも素晴らしい」というもの。

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