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All You Need Is Kill 殺すしかない

小説 - 映画

■この本を読むことになったきっかけ

 

私が高校生の頃、なんとなくなんでも読みたい時期があり、表紙に惹かれて購入しました。この時、ライトノベルが読みたかったのですが、どれも巻数が多かったり、表紙があまりにも美少女アニメっぽすぎたりして、購入意欲がそそらなかったのですが、この作品はライトノベルにしては表紙が硬派で青年漫画っぽくて異色な感じがしました。

 

絵柄や作品の雰囲気から「ラノベっぽくないラノベ」なのだと思い、手に取りました。何より、たった一巻で話が完結してるというのに魅力を感じました。

 

All You Need Is Killの意味は、「殺すことが全て」「お前の任務は殺す事」のようなニュアンスですかね。

 

物語のあらすじ

 

日本、トーキョーの南方に位置するコトイウシという島は、異星人が地球に送り込んだ「ギタイ」と呼ばれる怪物が侵攻する激戦区。

 

失恋をきっかけに兵士になった初年兵のキリヤ・ケイジは、初出撃で自分以外全滅という絶望的な戦闘を経験する。

 

死に物狂いの中、『戦場の牝犬(ビッチ)』と呼ばれているリタ・ヴラタスキと出会い、援護を受けながらアンテナ付きのギタイと相討ちになり戦死してしまいます。

しかし、戦闘で死んだはずなのに目が覚めると『初出撃の前日の朝』に戻っているという不思議な現象に見舞われます。

 

出撃しても、脱走しても、拳銃自殺しても、意識が戻ると必ず同じ日に戻っている事に気付きますが、同時に記憶や経験は白紙に戻らず、すべて蓄積されている事にも気付きます。

 

ギタイは毎回行動を少しずつ変化させながらケイジを殺していきますが、ケイジもまた何回、何十回とギタイと対峙し戦死する中で様々な事を学んで腕を磨いていきます。

 

そんな中、リタ・ヴラタスキと再会した時「おまえ、いま、何周目……なんだ?」と問われます。

 

なんとリタもケイジと同じ時間のループを経験した事があったのです。

リタはどうすれば時間のループを脱出できるかをケイジに教えますが、その方法をもってしてもループからは抜け出せませんでした。

 

リタとケイジはループをしすぎて、どちらも情報を過去に送信するためのアンテナの役割を担ってしまっていたのです。

 

どちらかが死なない限り、ループからは脱出できない。ギタイに基地が襲撃され戦いが激化していく中、リタとケイジは互いの明日を賭けた一騎打ちをします。

 

勝負はケイジが勝利し、死んでいくリタに自分の思いを伝え、生き残ったケイジはリタと同じようにギタイと戦い続ける道を選んで生きていく決意をしました。

 

■感想

 

SF小説ですので、専門用語が多いかと思ったらそうでも無かった小説です。本作はSFではありますが、あくまでもライトノベルですので、人を選ぶようなコテコテのSF用語は登場しません。

 

たいしてSFに詳しくない私の感覚で言うと「スターウォーズよりも優しいSF作品」といった感じです。

スターウォーズよりも優しいSFですが、戦闘シーンが非常に多いのと主人公のケイジがループ中に何度も命を落とすので、少々グロテスクな表現が多用されています。

 

しかしそのようなシーンが多いにも関わらず嫌悪感を覚えないのが、この作品の凄いところです。文章から硝煙の匂いがするというか、泥臭さを感じられる文章がテンポ良く続き、アクション映画さながら興奮を感じながら読み進めることが出来ます。

ライトノベルの文章は、一般小説と異なる部分が多く雰囲気や心理描写を重要視しているものもあります。

 

ものによってはそれがくどくて、読むのに飽きて来る作品もありますが、本作は文章そのものの軽快さ、泥臭さ、グロテスクさが作品のシリアスさや世界観の荒み方を一層際立たせています。

物語全体がハリウッドのB級アクション映画や戦争映画のような感じです。とても下品な下ネタや口汚い罵倒や、えげつないジョークも登場します。

 

この辺りに耐えられるかどうかで、この作品が好きになれるかが決まると思います。

私が個人的に感じたことですが、クエンティン・タランティーノ監督の映画が好きな人は多分好きになれるんじゃないかと思います。

 

ちなみに、本作は実際にハリウッドで映画化されています。

 

主演はなんとトム・クルーズ。日本のライトノベルが気に入られ映画化されるというには異例の事で、日本でも大々的に取り上げられました。

 

映画版のタイトルは『Edge of Tomorrow』、邦題は『オール・ユー・ニード・イズ・キル』。

 

『Edge of Tomorrow』の意味は、今日と明日の境目?ってことでいいのでしょうか。
殺すことに失敗して、自分が殺されたら、そこで今日はリセットされ、また次の人生がスタートする。任務を終えるまでエンドレスという過酷な生活環境ですよね。

 

主演俳優を見て分かる通り、原作のキリヤ・ケイジよりだいぶ年上の主人公に設定が変更されています。

 

ヒロインのリタも原作では、赤毛のアンのような可愛らしいツンデレ系美少女でしたが、映画では凛とした大人の女軍人です。

 

良くも悪くもハリウッド的なキャラクターやストーリーに変更されているところは多々ありますが、娯楽映画としては非常に面白いです。原作と見比べてみるのも良いかもしれません。

 

本の中で気になった言葉、セリフ 1シーン

 

物語の終盤、ケイジとリタは一騎打ちをします。勝った方しかループから脱出できないため、真剣勝負です。戦いはケイジが勝利して終わりますが、血を流して弱っていくリタに

「ぼくはきみが好きだ。だから……だから、きみが死ぬまでそばにいよう」

と言います。

 

この台詞、リタとケイジが初めて出会った時と被っているのです。ケイジがループにはまってしまうきっかけになった戦闘で、リタが傷つきボロボロになったケイジに対して

「自分の名前はリタ・ヴラタスキ。お前が死ぬまで、そばにいよう」

と言っています。

 

あの頃と二人の関係は全く違うものになっていますが、戦友でもあり相思相愛の仲でもあるケイジとリタが一緒になれない切なさを感じる台詞だと思いました。

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『ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち』第一巻

小説 - ミステリー小説 - 小説

ビブリア古書堂の事件手帖を読んだ感想

 

大人気「ビブリア古書堂」シリーズの第一巻です。

どれくらい売れているかと言いますと…。

まず2012年の本屋大賞にノミネート。(すごいのは文庫本で初という快挙)

 

そして、漫画化の後に、2013年には剛力彩芽さん主演でドラマ化されました。(いわゆる、月9の枠)

五浦役にはEXILEのAKIRAさん、志田役には高橋克実さん、笠井役は田中圭さんでした。

 

実は私はこのドラマを見て初めて「ビブリア古書堂」のことを知り、興味を持ったのです。視聴率の方は残念ながら振るわなかったようですは、個人的には見ていてとても面白かったです。

 

ドラマ化されるに当たっては、賛否がありまして・・

 

元気印の代表みたいな剛力さんと、栞子さんのイメージがかけ離れていて、かなりの反対意見があったみたです。

 

私も思いました。

だって剛力さんではどう見ても、書籍の表紙を飾る栞子さんとは一致しないです。

 

せめてウイッグかなんかでロングヘアにして欲しかったですね。

 

あれから数年経ちましたが、またアニメと実写による映画化も決定しているそうです。

 

「ライトノベルだからと侮るなかれ」の一言に尽きますね。

 

ビブリアの意味は?

 

それにしても、ビブリア古書堂の「ビブリア」って、耳に残る響きです。

どういう意味なんでしょうか?

 

ウイキペディアで調べたところによると、

 

“栞子の祖父、聖司が敬虔なクリスチャンで、このため、ラテン語で聖書を意味する『ビブリア』を店の屋号にしたという”

 

なるほどね。他にも書物という意味もあるそうです。

 

古書堂はお祖父さんの店だったんですものね。

まだ第一巻を読み終えたところなので、栞子さん自身の生い立ちまでは触れられていません。

ドラマでは確か栞子さんと母親の間に確執があるんですよね。

安田成美さんがお母さん役でした。

狙った古書を手に入れるためには、手段を選ばない非情な女だったような。

 

ところでこの本、タイトルからしてジャンルが謎解き系なのはわかりますが、古書にまつわる事件?古本屋で事件なんて起きる?と思いませんか?

 

ところが読み始めると、もうあっという間に吸い込まれますよ!

この物語で扱う古書は全て実在する本なのですが、その蘊蓄(うんちく)がめちゃくちゃ面白いんです。

 

読書マニアさんならたまらない話だと思いますし、読書初心者さんでも十分興味深く読めます。

 

また、一話完結モノかと思いきや、キャラクターや物語全体にかかる謎もとてもうまく編み込まれていて、かなり唸らされました。

 

サクサク読めて、ミステリーも楽しめて、ライトノベルの良い所がギュッと詰まった作品です。

 

2.『ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち』著者:三上延

307ページ

 

 

ね?剛力さんとは似ても似つかないですよね。

映画かにあたっては、今度こそファンのイメージを壊さないで欲しいです。

 

本の内容

鎌倉の片隅でひっそりと営業をしている古本屋「ビブリア古書堂」。そこの店主は古本屋のイメージに合わない若くきれいな女性だ。残念なのは、初対面の人間とは口もきけない人見知り。接客業を営む者として心配になる女性だった。だが、古書の知識は並大低ではない。人に対してと真逆に、本には人一倍の情熱を燃やす彼女のもとには、いわくつきの古書が持ち込まれることも、彼女は古書にまつわる謎と秘密を、まるで見てきたかのように解き明かしていく。これは“古書と秘密”の物語。(引用:Amazon.com)

 

まず、やはりライトノベルというジャンルに位置するだけはあって、キャラクターの造りに愛着がわきますね。

 

トラウマが原因で本が読めない青年・大輔と、人見知りで人と話すことはダメダメなのに大好きな本のことはいくらでも語ることができる古書店の美人店長・栞子。

もうこの人物設定だけでワクワクしますよね。しかしこの作品の魅力は、一見、水と油のような二人が、お互いの足りない部分を補い合っていく関係になっていくところ。

 

それがまた大輔と栞子というキャラクターをさらに魅力的にしていて、まさにミステリー史上に残るナイスコンビだと思いました。

 

私も栞子さんから本の読み聞かせしてもらいたいなあ。

 

この小説は人が死なないミステリーです。タイトルに「事件」と付いていても殺人事件は起こりません。サブタイトルの「奇妙な客人たち」の部分がわかりやすくて親切かと。

 

古書っていろんな人の手を渡ってきたものですよね?そこにはそれぞれのドラマがある訳で。「この本のサインを鑑定してほしい」、「盗まれた本を探してほしい」、「持ち込まれた本を売らないでほしい」といった客の依頼から、栞子は真実を導き出していきます。

 

そんな栞子の「古書には本そのものに物語がある」というセリフに、私もハっとしました。

 

 

手にする古書の一冊一冊に耳を傾ける栞子さんの姿はとても美しいです。そして読者の私達にも、古書はミステリアスでドラマチックなものなのだと気づかせてくれます。

 

しかしながら、謎解きをする栞子の古書に関する知識の質と量には圧倒されました。それはつまり作者のリサーチがすごいということなのですが、もう感動です。

 

その本を読んだことのない人には本の蘊蓄が新鮮に映りますし、読んだことのある人でも「そうだったのか」と新しい驚きを楽しめます。

 

「よくぞ、古書をメインにしたミステリーを思いついたなぁ」というのが一番の感想でしょうか。古典文学の読書マニュアルとしても重宝しそうです。

 

第1話での大輔のエピソードから、最後の第4話の栞子が入院している理由とそこからの事件まで、とてもうまくストーリーが流れていると思いました。不器用ながら栞子と五裏、二人の関係性がそう変化していうのか、そこも楽しみです。

 

恋愛モノとしても読める、勿論ミステリーとしてはかなり面白い、ちょっとした文学の勉強にもなる、という一冊で何度も美味しい作品です。

 

読みやすさもオススメポイントなので、どの世代の方にも受け入れてもらえると思います。

 

  1. ビブリア古書堂の事件手帖―購入前に

 

ライトノベルのジャンルが苦手な人、そして重厚なミステリーを求める人は注意しましょう。

登場する女性は言わば「萌えキャラ」のような感じですし、謎解きもライトです。

 

6.物語のキモ・ネタバレ

・主人公の五浦大輔は、大学卒業後も無職の23歳。幼少期のトラウマで本が読めない。ガッチリとした体格。とある本の査定のため、ビブリア古書堂を訪れる。

・もうひとりの主人公が、篠川栞子。ビブリア古書堂の店主。大輔と初めて会った時は入院中。黒髪美女で眼鏡女子。豊かなバストについての描写が多い。普段はかなりの人見知りで人と話すのも一苦労だが、大好きな本に関することとなると態度は一変する。

・小説に登場する古書は全て実在する本。この巻では、夏目漱石の「漱石全集」・小山清の「落穂拾ひ」・ヴィノグラードフ・クジミン「論理学入門」・太宰治の「晩年」が扱われる。

・大輔は本を持ち込んだことがきっかけで、アルバイトとして雇われることになる。

・この巻のラストまで、栞子は退院しない。入院したまま、大輔と謎を解いていく。第4話で、なぜ入院したのかが明かされている。

『燃えつきるまで』を読んだら別の意味で燃え尽きてしまった!

小説

燃え尽きるまでを読んだ感想

 

この本を読むきかっけになったのは、本好きのお友達に「恋愛小説」でおすすめの本はないか?と聞いたところ、『燃えつきるまで』を勧められました。

 

唯川恵さんの小説を読むのはこの本が初めてです。

 

読み終わった後はタイトル通り、まさに「燃えつきてしまった」という感じ。

無事に現実に戻って来ることができて良かったとさえ思いましたね。

 

こんなこわい恋愛小説を読んだことがなかっただけに、とても印象に残っている作品です。

 

でもこの脱力感がたまんね~( ´∀`)

この快感に目覚めた女性が唯川の小説の虜になるのかも知れません。

 

主人公の玲子が徐々に壊れていく描写がリアルで、こわいんだけど、読むのを止められないんですよね。

後半は、ほとんどホラーと思えるほどで、え?え?あの聡明な玲子さんがどこまで堕ちていくの?このまま進んだらどうなってしまうの??

 

いつの間にか、どっぷり小説の世界に入り込んでしまい、ハラハラしました。

 

勿論、執着に支配された主人公の怜子が元彼やそのパートナーにしたことは許されることではないと思います。

それと、私自身、怜子の行動には共感できません。フラれたくらいで、あんなことになるかな…と疑問に思ったくらいです。

 

でも、なぜか、彼女のあらゆる感情とリンクしてしまいました。

正直に言って、読み進めるにはかなり体力のいる作品です。

 

失恋によって精神が不安定になっていく様、生活がボロボロになっていく様、理性が狂っていく様が目の前で繰り広げられるので、読破するには覚悟が必要かと。

 

数々の恋愛を書いてきた唯川さんにしか書けない、失恋小説でした。

ラスト、怜子が落ち着きを取り戻すきっかけをどう思うかは、その人がどう生きてきたか、価値観や経験値に左右されるでしょう。

 

『燃えつきるまで』著者:唯川恵 313ページ

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『燃えつきるまで』本の内容

恋も仕事も順調だった三一歳の怜子は、五年付き合い、結婚も考えていた耕一郎から突然別れを告げられる。失恋を受け入れられず、苦しむ怜子は、最優先してきた仕事も手に付かず、体調を崩し、精神的にも混乱する。そして、友人の「好意」から耕一郎に関するある事を知らされた怜子は…。絶望から再生までを描き、誰もが深く共感できる失恋小説。(引用:Amazon.com)

 

失恋のつらさ、元恋人への憎しみや怒りを、こんな風にここまでして燃えつきさせないと、主人公・怜子は新しい一歩を踏み出せなかったのですね。

 

読み終えた後にタイトルを噛み締めると、やるせなさがこみ上げてきます。怜子という人間の脆さが、全編を通してつらいです。

 

復讐のシーンでも、ありえないことをしているのは怜子なのに、自分の中の憎悪が元彼に向いていました。それに気づいた時、結構ぞっとしました。怜子には共感できないと思っていましたが、自分にも怜子になる瞬間や可能性があるのだと…。

 

さすがの唯川さん。とにかくリアルで、痛いです。どんなラストを迎えるのか、できることならハッピーエンドを、と思っていたので、この作品の結末にはほっとしました。あっさりとしたラストですが、私は納得しました。

 

怜子のマイナスの感情が燃えつき、燃え滓が飛んでいくようなイメージでした。

 

怜子の傷が深くなったのは、切り出された別れの理由がはっきりしなかったことではないでしょうか。

 

「理由が思い当たらない」という時点で「何が悪かったのだろう」と自分を責め、今まで自分の全部を許してきた人に突然、自分を全否定されたような気になるのだと思います。

 

失恋って自己否定ですよね。怜子に降りかかった別れ話は本当に理不尽です。だからと言って、怜子と耕一郎の恋愛は、耕一郎がダメだと思った瞬間に未来がなくなっていたでしょうし、誰のせいでもありません。

 

そういう恋愛の残酷さがとてもよく描かれています。

 

購入前の注意点

 

失恋したばかりだったり、同じようなマイナスの感情を抱えている人は、傷が深くなってつらい読書になるのではないでしょうか。

 

恋愛小説といっても、女性の嫉妬心、歪んだ愛がテーマなので、ピュアでハッピーなラブロマンスが好きな人はうっかり読まないように。

 

ネタバレ

 

・主人公は31歳の怜子。恋も仕事も順調で「あとは結婚だけ」という交際5年目のある日、恋人の耕一郎から突然別れを告げられる。

・突然の別れに絶望する怜子。体調まで崩してしまい、そのせいで仕事も失う。

・さらに追い打ちをかけるように、耕一郎はさっさと新しい恋人を作り、妊娠を機に結婚。

・それを知った怜子は心のバランスを崩し、とうとう凶行に及ぶ(被害妄想・ストーカー)

・ある人からの電話がきかっけになり怜子は「自分だけが不幸な訳ではないし、自分より不幸な人はいっぱいいる」と思い至り、落ち着きを取り戻していく。

人生がときめく片づけの魔法~こんまり流は世界へ

実用書

読んだ感想

 

断捨離が流行るちょっと前の片付け本でしょうか。

 

中居君がMCをしている「金曜日のスマたちへ」を見て買った本だったと思う。

あれから、断捨離や片づけの本もたくさん増えたので、そろそろこんまりさんとは、お別れしようと、段ボールに入れる前に、ここの記しておくことにします。

 

こんまりさんって、今やワールドワイドな方なんですね!

世界各地で片付けのお仕事をこなし、2015年には米国タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれています。

ニューヨーク・タイムズ No.1ベストセラーにもびっくり。

ときめきは国境を越えて、といったところでしょうか。

 

静かになったなと思うと、今度は結婚、出産とほんとうに人生ときめいちゃってるって感じですね。

 

本著はそんなこんまりさんを一躍世に広めた「ときめき」の一冊です。

読んでいる間も、読み終わった後も、捨てられない私には「捨てる=モノを大切にする」という主張は衝撃でした。

 

なるほど、勿体ないからとただ捨てずにしまっておくだけの状態はモノを大切にしているとは言えないのだな、と…。

ここが腑に落ちると、俄然、ときめかないモノを捨てたくなってきます。

 

本にはその手順や方法、そしてこんまりさんの成功談や人生論が載せられていて読みやすいです。

 

「捨てすぎて後悔」という声も聞こえるくらい、エネルギーを持った一冊ですので、捨てるのが苦手な自分なりの片付けルールとうまく擦り合わせて活用したいと思いました。

 

  1. 『人生がときめく片づけの魔法』著者:近藤麻理恵

270ページ

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本の内容

“【世界でシリーズ700万部突破! 】2015年、米国「TIME(タイム)」誌 世界で最も影響力のある100人に選ばれました!
ニューヨーク・タイムズ No.1ベストセラー!この本は、「一度片づけたら、二度と散らからない方法」
について書いた本です。「そんなことはありえない」そう思った方にこそ、
じつは読んでいただきたい本でもあります。

著者の近藤麻理恵さん(こんまり先生)は、
床が見えないゴミ部屋を
ホテルのスイートルームのように劇的に変える
片づけコンサルタント。

5歳のときから
「ESSE」や「オレンジページ」等の主婦雑誌を愛読し、
中学3年のときには、ベストセラー『「捨てる! 」技術』を読んで開眼、
以来、本格的に片づけ研究を始めたそうです。
そして、大学2年のとき、コンサルティング業務を開始、
「こんまり流ときめき整理収納法」を編み出しました。

その極意をひと言でいうと……

まずは、「捨てる」を終わらせる。
そして、一気に、短期に、完璧に片づける。

これを正しい順番で行うと、
二度と散らからなくなり、一生、きれいな部屋で過ごせる
というのです。

しかも、著者のコンサルティングを受けたお客さんから
ほとんど毎日のように「人生が劇的に変わった」と、
たとえばこんな報告のメールが届くそうです。

「おだやかになったね、といわれるようになった」
「営業の仕事がたくさんとれるようになった」
「気乗りしないお誘いも、断れるようになった」
「仕事の面で、迷わなくなった」
「会いたかった人から、連絡がくるようになった」
「なぜか3キロやせた」
「自分が持っている力に気づけるようになった」

この「人生がときめく片づけの魔法」を手に入れて、
新しい人生のスタートを切ってください。”(引用:Amazon.com)

 

『人生がときめく片づけの魔法』のレビュー・評判

まさに魔法!タイトルに偽りなしです!家がガラリと変わります!そして、家や部屋がキレイに変わると、考え方、暮らしや人生までもが変わっていくことがよくわかりました。魔法はどんどん良い方向へつながっていくみたいです。

 

今までの片付けルールが引っくり返りました。

今まではパッと見て、目に付く散らかりゾーンだけを片付けていましたが、こんまりさんの方法は、一度全部を取り出すこと

 

テレビでもよく実況やってますよね?

山のように洋服を積み上げてて、これね、人によっては物凄い作業になってしまいます。

一日で片づけられないかも知れません。

 

ただ、全部出してモノの量を把握するってことがとても大事なんです。

 

そうして、眠っているものまで目の前に出し、見える状態にすることで、真のスッキリに近づけます。ひとつひとつ手に取って「ときめきの判断」をするというのも斬新でした。闇雲に捨てるだけではなく、モノと向き合うスタイルが新しいと思います。

 

この一連の流れと手順が丁寧に解説されているので、気軽にスタートしやすいのではないでしょうか。

 

この本ではいろいろなテクニックが紹介されていますが、中でも「モノの定位置を決める」というのが、今までの私が出来てなかったことだったんだと、気づきました。

 

だから、よくモノがなくなってたんですね・・

 

説明の仕方も説教くさくなくて、こんまりさんがいかに片付けを愛しているかが伝わってきて心地良いです。捨てることは決してモノを粗末に扱うことではないという「モノを大切にする」習慣が、自然と身に付くと思います。

 

読む必要がないと思われる人

 

シンプルな実用書を求めている人は、こんまりさんの独特の語り口が余計なものに感じるかもしれません。かなり女子目線。

 

手に取って「ときめく」かどうかで残すか捨てるかを決めるって・・幼いと言えば幼いです。

 

また、捨てるのが苦手な人が影響を受けすぎて、勢い余って後で後悔することにならないか不安を感じる部分もありました。