私の感想
この本は電子本で読みました。
いつも利用しているジュンク堂の本屋サイト「hont」では、時々電子本の30%OFFセールをやってるんですね。小説と違ってパラパラと読めそうなものは電子本は、お得だし便利です。
読んだ感想はと言うと、この本を読んでも結局のところは何もわからない、という感想に尽きます。
事件の真相はもちろん、小保方さんという人物についても。
やはり評価は真っ二つですからね。
ただ、確かに読み取れるものがあるとすれば、マスコミの恐ろしさについてです。
ここまでするのか?って感じで、さすがに小保方さんには同情しました。
この本の著者の罪が何なのか、そして犯人探しは別として、メディアスクラムの当事者のリアルな声を聞くことができる本としてはとても貴重な一冊だと思いました。
とは言え、これだけ世間を騒がせ、悲しい結末も迎えてしまった事件です。
人々の関心は、この本によって真実と真犯人が暴かれることだったはず。
しかし残念ながら、そういった記述はありません。
あくまで、小保方さんの心情を綴った手記です。
一時は科学者であった彼女が、こんな感情的でしかない文章で言い訳めいたことをする価値はわかりませんが…。
もう科学の道を進むことはないのでしょうか?
不正防止の職務で自身の経験を活かしたり…、というのは第三者のワガママですかね?
- 『あの日』著者:小保方晴子 258ページ
あの日 [ 小保方晴子 ]
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『STAPはあります』
あの騒動から2年経って、婦人公論という雑誌で久々に小保方さんのお姿を拝見しました。内容は、瀬戸内寂聴さんとの対談です。
白い可愛らしいワンピースでの登場でしたが、私には痛々しく映りました。
本の内容・あらすじ
『あの日』のレビュー あくまで小保方さんサイドの話
この本を読むにあたって必要なモノは、科学の知識ではなく、公平な視点だと思います。残念ながら、事件の真相はこの本には書かれていないからです。
小保方さんの感傷に入れ込んでしまっても、全く感情移入せずに読み進めても、この本を価値を見出せません。
とある事件の当事者の生々しい記録として「こんなことがあったんだ」と受け取るべきではないでしょうか。
事件の真相は闇の中ですが、少なくとも小保方さんという人物を知ることができます。意外な文才にも驚かされました。
もちろん、彼女視点の手記なので、言い訳っぽくなってしまうのは仕方がないのですが…。前半は研究者としての足跡として興味深く読めましたが、後半は正直、不愉快な部分が多かったです。
誰かを犯人に仕立て上げるような描写も…、必要だったのでしょうか?ただ、この本の出版によって、黙っているしかなかった小保方さんに少しでも発言の場が設けられたことは、とても意味があることだと思いました。
また違った読み方をすれば、メディアスクラムの恐ろしさを目の当たりにできる本でした。「人権」というものについて考えさせられます。
人ひとりくらい簡単に消すことのできる大きな組織の力が怖いです。
この本を手掛けた人物が科学者なのか、ただのひとりの女性なのかという捉え方次第で、評価は分かれるでしょうね。
読む必要がないと思われる人
STAP細胞の騒動に興味がない人は勿論手に取る必要はないですし、逆に、騒動に興味があって真犯人を知りたがっている人は残念な感想を持つと思います。あと、科学的な反論はほとんどありません。