
わたしのウチには、なんにもない読んだ感想
恐るべし「捨てたい病」のコミックエッセイです。
巷にあふれ返っているミニマリストの断捨離ハウツー本かと思いきや、このゆるりまいさんの著書では「汚部屋からの脱出」エピソードが語られます。
物を捨てるという行為は、物を大切にしていないということなのか。
逆に、不要なものを捨てると本当に大切な物がわかるということなのか。
捨てることが苦手な私はすごく考えさせられました。
汚部屋の反動で「捨てたい病」の捨て魔となったまいさん、そりゃあ「なんにもない」家になるよな~と感心はしますが、正直ここまでしなくてもいいなと思いました。
まるで生活感のないご自宅の写真には恐ろしささえ感じるほど…。
と言うのは言い過ぎかもしれませんが、何はともあれ、この本を読むとちょっとは自分の家の物を捨てなくては!って気持ちにはなります。
それに何より、片付けられない親や汚部屋化した家、震災、そして自分自身と真正面から向き合ったまいさんにとても勇気づけられます。
女性にありがちな習慣「コレなにかに使えるかも?」なんでも取りあえずとっておく癖と戦わないといけませんね。
『わたしのウチには、なんにもない。 「物を捨てたい病」を発症し、今現在に至ります』著者:ゆるりまい
151ページ
本の内容
片付けのノウハウ満載というよりは、ゆるりまいさんの半生や日常が漫画で綴られていて、この漫画の画風のゆるさも、良い味出してます。
しかし、物の捨て方など、教わる部分もありました。
特に「モノから解放される生き方」はすごく考えさせられましたし、今後の人生を気持ちよく過ごすための勉強になったと思います。
中でも印象に残ったのが、片付けられない家族との対立や葛藤でした。
今ではモデルルームのような家に住むまいさんですが、実は元々、汚部屋出身とのこと。
まいさん自身は震災を機に汚部屋脱出を成功させ、捨てたい病を発症します。
ただ、母親や祖母の考えはなかなか変わらず…。
昔の人ならではの「もったいない精神」ですよね。
私もどちらかと言うとこちら側の考え方なので…、捨てることに抵抗があるのはとてもよくわかりました。
それでもまいさんは根気強く、家族の考えを変えようとします。
自らの行動で、片付けられた、物に囲まれない暮らしの良さを伝え続けます。
そうすることで、まいさんは自分の過去やコンプレックスと戦ったのでしょう。
その姿に感動すること必至です。
まいさんの家族の変化は…、ぜひ、本を読んで確かめてみて下さい。
こういう病的なまでに「捨てたい病」の人の家を見るたびに「私は少しくらい物があった方が落ち着く」と呟いてきましたが…。
この本と出会い「実は物に振り回されているのかも」と考えが変わるようになれば儲けものです。
「もったいない病」発症中のみなさんには自己改革の第一歩としておすすめします。
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わたしのウチには、なんにもない。 購入前の注意点
震災で全てを失ったことがきっかけになった、それで新築の家を手に入れた等、著者を取り巻く環境はある意味特殊なわけで、全ての人には当てはめられない。
何でも捨てられるという性格に疑問を持つかもです。
プロではないので、漫画のクオリティはそれなりでした。